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平成23年3月号より

平成23年度の会員のための陶磁研究会を次のように展覧会に合わせて開催いたします。
    [4月研究会]
    「静嘉堂の東洋陶磁 PartII 日本陶磁名品展」
    場所 静嘉堂文庫美術館・講堂
      (東京都世田谷区岡本2-23-1 電話:03-3700-0007)
    日時 4月29日(祝)午前11時から(所要時間約1時間半)
    講師 山田正樹(同美術館学芸員)
    定員 50名
    参加費 入館料のみ(一般800円)

    京焼や伊万里焼など、選りすぐった日本の陶磁器の名品に焦点を当てた展観。

    研究会に参加ご希望の方は電話もしくはFAXで日本陶磁協会事務局(電話:03-3292-7124/FAX:03-3292-7125)までお申し込みください。

▼平成22年度「日本陶磁器協会賞」の選考委員会が1月16日(日)午後2時より、銀座・和光本館7階応接室にて開かれました。今回は、候補者として協会賞53名、金賞30名の推薦を41名の推薦委員よりいただきました。

昨年と較べますと推薦委員は5名ほど減っておりますが、本賞の意義であるコつのジャンルに固執することなく陶芸界全般に目を配り、その年の最も優秀と思われる作家に日本陶磁協会賞を、さらに永年に渡り作陶および教育等を通して陶芸界に貢献されてきたベテラン作家に金賞を授与し表彰することによって陶芸文化および芸術を振興することを目的」に、美術館・博物館の学芸員、美術ジャーナリスト、ギャラリー関係者、陶芸作家などの専門の方々から推薦をいただきました。

その結果、協会賞候補は(推薦の多い順に示しますと)、前田正博(推薦者8名)、今泉今右衛門(7名)、加藤委、重松あゆみ(以上5名)、近藤高弘、杉浦康益、松本ヒデオ(以上3名)、伊藤慶二、兼田昌尚、川崎毅、川端健太郎、久保田厚子、平川鐵雄(以上2名)、青木克世、青木清高、石原祥嗣、伊勢崎淳、磯崎真理子、猪倉高志、植葉香澄、岡田裕、奥村博美、加藤高広、金重榛、木村芳郎、島村光、下澤敏也、神農巌、鈴木徹、田中佐次郎、全日根、塚木満、辻村史朗、戸田守宣、中尾恭純、中田一於、中田博士、中村卓夫、西端正、新里明士、長谷川直人、福島善三、福本双紅、星野暁、堀野利久、南野馨、宮永東山、宗像利浩、森克徳、山田晶、大和保男、山本教行、若尾経(以上1名)。

右の一覧でも分かる通り、前田正博、今泉今右衛門、加藤委、重松あゆみの4氏が上位を占めておりましたが、選考委員に候補者の陶歴、推薦理由および作品の写真など資料を付して送りました結果、次の方々が候補者として選ばれました。点数の高い順に示しますと、協会賞候補は前田正博(23点)、今泉今右衛門(9点)、川崎毅、加藤委(4点)、鈴木徹(3点)、伊勢崎淳、岡田裕(2点)、寺本守、重松あゆみ(1点)となりました。候補の新顔として川崎毅、岡田裕、寺本守といったベテラン作家が登場しておりますが今後の動向が楽しみです。ここ数年トップを争っていた前田氏が高い点数で2位の今泉氏を引き離す結果となりました。

前田氏の推薦理由は、「洋彩色絵における多様な展開」「色絵磁器のあり方に揺さぶりをかけた作家であり、近年そのスタイルの追随者が増えつつある」「MOA岡田茂吉賞、智美術館の個展」などがあげられます。

因みに、昨年の推薦理由をあげますと、「自分自身で開発した技法と洋絵具によるマチエールで作り上げられた独自の世界の作品を発表」「菊池寛実記念智美術館の個展開催、日本伝統工芸展総裁賞受賞」などで、順調に賞を獲得してきており、協議の結果、最も優秀な作家として前田正博氏に日本陶磁協会賞を贈ることを、全員一致で決定いたしました。

前田正博・略歴
1948年 京都府久美浜町に生まれる
1973年 日本陶芸展入選
1975年 東京藝術大学大学院工芸科陶芸専攻修了 日本伝統工芸展入選
1983年 今日の日本の陶芸展出品(ワシントン・スミソニアン博物館、ロンドン・ヴイクトリア&アルバート美術館)
1988年 日本伝統工芸展日本工芸会奨励賞受賞
1992年 日本の陶芸「今」100選展出品(パリ、東京)1996年 現代日本陶磁秀作アジア巡回展出品
1997・2000・01・07・10年 伝統工芸新作展鑑審査員
1998年 伝統工芸新作展奨励賞受賞
2002・10年 日本伝統工芸展鑑査委員
2005年 菊池ビエンナーレ展優秀賞受賞 東京・六本木に工房移転
2006年 「現代陶芸の粋」展(茨城県陶芸美術館)出品。
2007年 「前田正博色絵磁器展」(アサヒビール大山崎山荘美術館)
2008年 智美術館大賞 現代の茶陶展優秀賞受賞(菊池寛実記念智美術館)
2009年 日本伝統工芸展日本工芸会総裁賞受賞。「赤黒金銀緑青 前田正博の色絵」展(菊池寛実記念智美術館)
2010年 岡田茂吉賞MOA美術館賞受賞
2011年 2010年度日本陶磁協会賞受賞

金賞候補を(推薦の多い順に示しますと)、三輪休雪(12名)、深見陶治(11名)、金重晃介(3名)、秋山陽、伊藤公象、小川待子、隠崎隆一、中村錦平、林康夫、前田昭博(以上2名)、伊勢崎淳、市野雅彦、伊藤赤水、今井政之、金子潤、川瀬忍、清水六兵衛、高鶴元、酒井田柿右衛門、笹山忠保、佐藤敏、高橋誠、滝口和男、武腰潤、中里重利、中里隆、中田一於、前田正博、三浦景生、宮永東山(以上1名)。

右の一覧の通り、今回も三輪氏と深見氏が圧倒的人気で、他の候補者を引き離す結果となりました。三輪氏の推薦理由は、「今秋の山口県立萩美術館での「龍人伝説への道 三輪休雪展」が開催され、現代陶の旗手としての評価が高い」「初期の「ハイヒール」から最近の「龍人伝説」に至るまで驚くほど多彩な作品を創造しながら、一貫して思想性豊かな陶芸を追求してきた業績」「現在、金賞を受賞していない作家たちの中、休雪以上の優れた創作活動をしてきた作家はいない。休雪が受賞してないのは不自然。」など、多くの意見が寄せられました。一方、深見氏の推薦理由は、「青白磁のシャープな抽象造形で知られ、海外での評価がとりわけ高い。自ら考案した「圧力鋳込み」の手法で磁器の常識を破るスケールの大きな造形世界を切り開いてきた」「辞退はあったとしても、この人を抜いて現代陶は語れないのでは」「ご本人が受けられるようなら、この人しか思い浮かばない」という意見などがありました。

選考の結果は、深見陶治(16点)、三輪休雪(12点)、秋山陽(10点)、隠崎隆一、川瀬忍(以上3点)、今井政之、金重晃介、神谷紀雄(以上2点)、酒井田柿右衛門、伊藤公象、前田昭博(以上1点)で、今回も深見、三輪、秋山の三氏の接戦となりました。

しかし、深見氏はここ数年辞退されており、秋山氏は選考では10点と高い数字が入っておりますが、推薦では2名のみ、三輪氏は推薦ではトップの12名でしたので、推薦委員の意見を尊重すべきではという意見もあり、協議の結果、全員一致で三輪休雪氏に金賞を贈ることが決定いたしました。受賞理由は、推薦にもある通り三輪氏の「これまでの優れた創作活動」と「初期の「ハイヒール」から最近の「龍人伝説」に至るまで驚くほど多彩な作品を創造しながら、一貫して思想性豊かな陶芸を追求してきた業績」を評価してのことです。

三輪休雪氏・略歴
1940年 山口県萩市生まれ
1967年 東京藝術大学大学院工芸科陶芸専攻修了。1968年個展「三輪龍作の優雅な欲望展」(東京・壹番館画廊)
1974年 萩市椿東上野に開窯
1988年 個展「三輪龍作 卑弥呼展」(東京・日本橋高島屋/京都、大阪を巡回)
1989年 日本陶磁協会賞受賞
1994年 個展「陶芸・三輪龍作の世界展─愛と死の造形─」(山口・下関市立美術館)
1997年 三輪龍作 茶室の美学I」(山口県立萩美術館・浦上記念館)
2003年 十二代三輪休雪襲名
2007年 中国・山東省博物館にて「紀念中国山東省・日本山口県友好関係締結25周年 三輪休雪陶芸展」開催
2009年 「陶 愛と死の融合 十二代三輪休雪個展」(パリ・三越エトワール、日本橋三越、福岡三越)
2010年 「龍人伝説への道 三輪休雪展」(山口県立萩美術館・浦上記念館)
2011年 2010年度日本陶磁協会賞金賞受賞

深見氏の金賞を切望する意見もありますが、もう少し氏の状況が整うまで待ちたいと思います。
秋山陽氏は「第52回毎日芸術賞美術II部門(工芸)」を今年受賞されました。
お二人とも金賞候補として、相応しい方々だと思いますので今後が楽しみです。

今回、賞の選考には赤沼多佳、石崎泰之、金子賢治、後藤康雄、梅澤信子、黒田和哉、中ノ堂一信、森孝一の8名が出席。根津公一、戸田博、唐澤昌宏の3名は都合により欠席されました。受賞のお二人には、心より御祝い申し上げます。

「第52回日本陶磁協会賞受賞作家展」が、東京・銀座の和光ホールで1月15日(土)から24日(月)まで開催されました。今回は、2009年度日本陶磁協会賞の中島晴美氏、金賞の森野泰明氏を含む、歴代受賞作家41人が、メイン作品のほか「独り楽しむ」をテーマに趣向を凝らした作品200点余が出展されました。メイン作品は景気の低迷を意識してかやや小振りな作品が目立ちましたが、しかし、小振りながら力強い作品がかえってお客様の二ーズに合い大変好評でした。さらに、受賞作家の新たな挑戦によるこれまでにない新鮮な作品が並び、本展を一層魅力あるものに盛り上げてくれました。ここに改めて、出品作家の皆様に御礼申し上げます。ありがとうございました。

「第52回毎日芸術賞」および「第13回千田是也賞」「第9回毎日書評賞」の贈呈式・祝賀パーティが、1月25日(火)午後4時より東京プリンスホテル2階「マグノリアホール」にて開催されました。毎日新聞社社長・朝比奈豊氏の挨拶の後、毎日新聞社主筆・岸井成格氏より、毎日芸術賞の講評があり、そして秋山陽(工芸)、大峯あきら(詩・短歌・俳句)、村上龍(小説・評論)、森村泰昌(写真)、吉田都(クラシック・洋舞)、加山雄三(ポピュラー音楽・特別賞)の贈呈式が行われました。陶芸家の受賞は、平成10年(第40回)の樂吉左衛門氏以来のこと、久々の受賞でした。なお、千田是也賞は熊林弘高、毎日書評賞は苅部直の両氏でした。

秋山陽
山口県生まれ。京都市立芸術大陶磁器専攻科修了。陶芸の可能性を問うスケールの大きな創作を続ける。97年、日本陶磁協会賞。10年、MOA岡田茂吉賞工芸部門大賞。京都市芸大教授として後進の指導にも当たる。57歳。

「第19回テーブルウェア大賞」の受賞者が決まりました。大賞・経済産業大臣賞は安藤千都勢(岐阜)の「ことり」、東京都知事賞は森岡希世子(石川)の「月の色」、最優秀賞は鬼久保千恵子(東京)、須藤崇文(長野)、優秀賞は杉原喜三子(千葉)、成井美穂(東京)、佳作は中山弓枝(長野)、楠田直子(千葉)、江良徹(千葉)、大山隆(富山)、小久保光将(高知)、重田啓子(神奈川)、上野淳子(神奈川)、金井裕子(神奈川)ほか。

「第50回日本クラフト展─煌めく─」が3月5日(土)から13日(日)まで丸ビル7階ホール(東京駅丸の内口)で開催されます。会場には、経済産業大臣賞・日本クラフト大賞の水野太介「依代(よりしろ)」、読売新聞社賞の露木清高「えん」、優秀賞の宮崎珠太郎「盛篭・伐り株」、中島俊市郎「Clairvoyance」、丸の内賞の切中優希子「軽快な金属」、招待審査員賞・下川一哉賞の酒井崇全「Snake Line」、招待審査員賞・中村好文賞の和山忠吉「三角小椅子」、U35賞の我戸正幸「カルミティーキャニスター」、会員テーマ賞の平山敏文「ふたつの漆サドル」、学生賞の桂川美帆「Good night」、高塩沙織「gnya」、奨励賞の志賀英二「ラインドローイング」、北里由利「いろのハチ」、室伏英治「雪の華」、澤田健勝「菓子切」、下條華子「つぎほ」など、1090点が並びます。なお、3月7日(月)午後1時30分から東京国立近代美術館・唐澤昌宏工芸課長を囲んで「これからのクラフトを語る」が、3時からは招待審査員・下川一哉、中村好文、JCDA審査員・相川繁隆、野田牧、コーディネーター・審査委員長、長谷川武雄の5氏による「審査から見えて来たこと」がシンポジウム「煌めく・クラフト」として催される。

財団法人常盤山文庫より「常盤山文庫中国陶磁研究会会報三北斉の陶磁」が刊行されました。内容については84頁の新刊紹介をご覧ください。定価は2,000円(税込)。常盤山文庫のホームページよりメールにて注文できます(この場合、送料負担となります)。東京国立博物館ミュージアムショップの図書コーナーでも購入可能です。

「六田知弘写真展『雲岡 仏宇宙』」が3月1日(火)から12日(土)まで、京橋の繭山龍泉堂(東京都中央区京橋2-5-9 電話:03-3561-5146)にて開催されます。

「古希記念 浅蔵五十吉作陶展」が3月2日(水)から8日(火)まで、日本橋三越本店6階特選画廊(電話:03-3241-3311)で開催される。

「第1回現代工芸アートフェア」が3月5日(土)、6日(日)の両日、東京国際フォーラム・ガラス棟B2展示ホールで開催される。現代の日本を代表する工芸作家53人による春の競演。日本で初めて開かれる工芸アートにフォーカスしたアートフェアの開催です。お問い合わせは03-3479-5138。

「色絵近彩楽園文華胥の夢日器 川口淳」が3月1日(火)から12日(土)まで、名古屋の橋本美術(電話:052-262-8470)で開催される。

「現代磁器四人展」(伊藤北斗・中田博士・藤井隆之・和田的)が3月3日(木)から9日(水)まで、和光・並木ホール(電話:03-3562-2111)で開催される。

「中村康平 五十盌展」が3月2日(水)から8日(火)まで日本橋三越本店6階特選画廊で開催される。

「守破離 加藤春鼎作陶展」が3月3日(木)から12日(土)まで、赤坂游ギャラリー(電話:03-3584-0045)で開催される。

「やきものの現在 土から成るかたち─PartVIII」が3月12日(土)から4月3日(日)まで、多治見市文化工房・ギャラリーヴォイス(電話:0572-23-9901)にて開催される。初日の12日午後1時30分より3時までシンポジウム「かたちを立ち上げる装い」(コーデイネーター・石崎泰之、パネリスト.酒井博司、清水一二、福島善三)が行われる。なお、午後4時からはオープニングパーティー(交流会)も催される。

大樋美術館創立20年記念特別展「茶碗の創成から現代まで」が3月12日(土)から6月12日(日)まで、金沢市橋場町2-17の大樋美術館(電話:076-221-2397)にて開催される。

「備前 吉本正作陶展」3月16日(水)から22日(火)まで、日本橋三越本店6階特選画廊で開催される。

「佐賀県陶芸協会展」が3月16日(水)から22日(火)まで、日本橋三越本店6階アートスクエア、工芸サロンで開催される。

生誕100年特別展「白洲正子 神と仏、自然への祈り」が3月19日(土)から5月8日(日)まで、世田谷美術館(世田谷砧公園1-2 電話:03-3415-6011)で開催される。

「ガラスに挑む 金田恭明展」が3月29日(火)から4月9日(土)まで、名古屋の橋本美術で開催される。

「伊藤慶二+林武史」展が5月8日(日)まで、岐阜県美術館(電話:058-271-1313)で開催される。

有田窯業界の最長老・中村清六さんが、1月12日(水)肺炎のため死去されました。94歳。心よりご冥福をお祈り申し上げます。