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「日本陶磁協会賞」は、「毎年その年の尤も優秀な焼物を作った新進の作家、二名乃至三名を選んで表彰しよう」との加藤土師萌氏の提案によって、昭和29年初春に制定されたのが始まりです。第1回の受賞者は清水卯一氏と熊倉順吉氏でした。
そして、昭和34年に受賞作家11名により「日本陶磁協会賞受賞作家展」が開催されました。
さらに昭和48年より、新進ということにこだわりなく、その年の最も優秀な作家に対して「日本陶磁協会賞」が、また陶芸界に大きな足跡を残したベテラン作家および、すでに協会賞を受賞した作家の活動に対し、「金賞」を授与することを決議し、現在に至っています。ちなみに、第1回の金賞受賞者は八木一夫氏でした。(歴代作家参照)
また毎年2月には、和光ホール(銀座・和光)にて「日本陶磁協会賞受賞作家展」を開催いたしております。
なお、日本陶磁協会賞についての詳しいお問い合わせは、社団法人日本陶磁協会・事務局までご連絡下さい。


■平成27年度 日本陶磁協会賞・金賞受賞者選考結果報告

    平成27年度 日本陶磁協会賞鈴木 徹
    平成27年度 日本陶磁協会賞金賞秋山 陽

平成27年度「日本陶磁協会賞・金賞」の選考委員会が2月6日(土)午後3時より、銀座・和光本館六階会議室にて聞かれました。今回は、候補者として協会賞68名、金賞38名の推薦を、美術館・博物館の学芸員、美術ジャーナリスト、ギャラリー関係者、陶芸作家(金賞受賞作家)など専門の方々58名の推薦委員よりいただきました。

その結果、協会賞候補は(推薦の多い順に示しますと)、重松あゆみ(126名)、中村康平(6名)、鈴木徹(5名)、猪倉高志、川崎毅(以上4名)、石橋裕史、伊藤秀人、井上雅之、内田鋼一、木村芳郎、長江重和(以上3名)、青木克世、伊藤慶二(金賞推薦者6名)、稲崎栄利子、植葉香澄、兼田昌尚、川端健太郎、黒田泰蔵、中村卓夫(金賞推薦者1名)、長谷川直人、吉田喜彦(以上2名)、赤地健、秋永邦洋、安藤雅信、石山哲也、板橋廣美(金賞推薦者1名)、井戸川豊、大塚茂吉、岡田裕、岡本作礼、小野隆治、金重愫、かのうたかお、川口淳、神田和弘、菊見吟子、岸映子、木野智史、久保田厚子、桑田卓郎、酒井博司、坂本章、佐藤典克、島村光、須浜智子、高垣篤、田中佐次郎、辻村史朗、徳厚守俊、中尾恭純、中里太亀、十四代中里太郎右衛門、新里明士、西端正、林香君、林茂樹、平川鐡雄、藤笠砂都子、星野暁、松澤恵美子、松田百合子、松本ヒデオ、三上亮、森野彰人、山田晶、山田和、吉田里香、米田和(以上1名)。

右の一覧でも分かる通り、重松あゆみ、中村康平、鈴木徹の3名が上位を占めておりましたが、選考委員に候補者の陶歴、推薦理由および作品の写真など資料を付して送りました結果、次の方々が候補者として選ばれました。

点数の高い順に示しますと、協会賞候補は、鈴木徹(16点)、重松あゆみ(14点)、黒田楽蔵(9点)、猪倉高志、川崎毅(以上4点)石橋裕史、中村康平(以上2点)、内田鋼一、神田和弘(以上1点)でした。3位以下を大きく引き離した上位2名の過去2年間の推薦状況を見ますと、平成26年度は重松氏が9名、鈴木氏が1名、平成25年度は重松氏が8名、鈴木氏が1名でした。重松氏がこれまで常に上位の有力候補でしたが、今回の選考で、鈴木氏に多くの点が入った理由は、昨年の第62回日本伝統工芸展において「緑釉花器」がNHK会長賞を受賞したことが大きかったと思われます。

鈴木氏の推薦理由は、「第62回日本伝統工芸展でNHK会長賞を受賞。従来から取り組んでいた、緑釉の流れ具合を微妙に調整した表面の取り扱いと、全体のフォルムにこだわって仕上げた作品が高い完成度に至ったことを、この受賞で明確にアピールすることができた。個展では「森羅」と題して作品を林立させるオブジェにも挑戦。新たな方向性を切り開こうとしている。緑釉作家として一つのステップに到達した事を認め、推薦する。」「織部焼の範疇から脱した新しい緑釉作品の創出に成功し、本年の伝統工芸において優秀賞を受賞した業績。」「美濃の伝統的織部釉に新しいセンスで表現している」「緑釉の仕事の深まり。」など多くの推薦が寄せられました。

 重松氏の推薦理由は、「グラデーションの色と造形がマッチした作品を長年に亘り制作され、国内はもとより外国でも高い評価を受けている。」「色彩の美しさと複雑ながらも妖艶なカタチを 作り続けている。」「有機的な生命感あふれる形態と色彩で陶造形に量塊感ばかりか空間性を強く意識。」「毎年の個展で、彼女が示す着実な進歩と作品の変化に敬意を表します。」など多数でした。

上位2名について、選考委員会にて協議の結果、全員一致で鈴木氏に協会賞を贈ることに決定いたしました。

平成27年度 日本陶磁協会賞 鈴木 徹
1964年岐阜県多治見市に生まれる。
1987年龍谷大学文学部史学科卒業。
1988年京都府陶工職業訓練校成形科卒業。
1991年第三八回日本伝統工芸展入選。
1994年第二五回東海伝統工芸展入選。
1997年第44回日本伝統工芸展入選。日本工芸会正会員となる。
1999年第三〇回東海伝統工芸展「岐阜県教育委員会賞」受賞。
2001年第32回東海伝統工芸展「東海伝統工芸展賞」受賞。
2003年第17回日本陶芸展入選。第50回日本伝統工芸展「新人賞」受賞。受賞作「緑釉鉢」が兵庫陶芸美術館に収蔵。
2004年名古屋芸術大学美術学部非常勤講師(2013年まで)。
2005年第1回菊池ビエンナーレ「大賞」受賞(菊池寛実記念 智美術館)。受賞作「緑釉鉢」が菊池寛実記念 智美術館に収蔵。第36回東海伝統工芸展に審査員招待出品。
2007年第2回菊池ビエンナーレ入選。
2008年第39回東海伝統工芸展に審査員招待出品。第36回新作陶芸展「日本工芸会賞」受賞。
2009年第3回菊池ビエンナーレ「奨励賞」受賞。
2011年平成22年度美濃陶芸作品永年保存事業(東濃信用金庫)に選定。
2012年平成23年度岐阜県伝統文化継承功績者顕彰。第32回伝統文化ポーラ賞「奨励賞」受賞。
2013年母校の龍谷大学より「龍谷奨励賞」受賞。
2015年第23回日本陶芸展入選。第62回日本伝統工芸展[NHK会長賞」受賞。

金賞候補を推薦の多い順に示しますと、小川待子(9名)、秋山陽(8名)、伊藤慶二(協会賞推薦者2名)、前田昭博(以上6名)、中島晴美(5名)、中村錦平、三原研(以上4名)、前田正博(3名)、武腰潤、中里隆、林康夫、三代宮永東山(以上2名)、板橋廣美(協会賞推薦1名)、市野雅彦、伊藤公象、五代伊藤赤水、十四代今泉今右衛門、加藤委、金重晃介、金重有邦、八代清水六兵衛、高鶴元、佐伯守美、栄水正敏、笹山忠保、佐藤敏、竹中浩、田鶴悦子、玉置保夫、中村卓夫(協会賞推薦者2名)、原清、原田隆子、皆川典子、三輪和彦、八木明、山内紅子、大和保男、吉田美統(以上1名)。

右の一覧の通り、今回は小川待子、秋山陽、伊藤慶二、前田昭博の順になっておりますが、選考委員に候補者の陶歴、推薦理由および作品の写真など資料を付してお送りしました結果、金賞候補として次の方々が選ばれました。点数の高い順に示しますと、秋山陽(14点)、伊藤慶二(11点)、小川待子(10点)となります。上位3名の過去2年間の推薦状況を見ますと、平成26年度は秋山氏が6名、伊藤氏が4名、小川氏が4名、平成25年度は秋山氏が5名、伊藤氏が5名、小川氏が5名でした。この3名がこれまで常に上位の有力候補でした。

秋山氏の推薦理由は、「陶の可塑性を生かしたスケールの大きな作品で、現代美術との接点や関わりなども広げ、後進の指導など美術界への影響も大きい。」「作風の充実ぶりが顕著であり、近年は茶陶にも作成を拡大するなど積極的な制作姿勢が好ましい。」「土に対する絶えざる挑戦の成果。」など多くの推薦が寄せられました。 

伊藤氏の推薦理由は、「美濃在住の陶芸家伊藤氏は、寡黙に長年ぶれることなく、個性溢れる作品群を作り続けている独創性を持った稀有な作家である。」「近年、岐阜県美術館、パラミタミュージアム、岐阜県現代陶芸美術館にて個展を開催し、新作を含め、全ての会場で異なる展示をみせた。パラミタ大賞展においても新たな作品により、その会場でしかできないインスタレーションをみせている。個展では、器に漆や銀彩を施すなど、氏の制作活動は、常に変化し続け留まることがない。」など多数寄せられました。

小川氏の推薦理由は、「器の原初性を具現化した立体作品は陶芸ファンを魅了するのみならず、広く美術界へも浸透しており功績は大きい。」「焼かれた土など鉱物の材質感の美を純粋に提示する新しい陶芸。媚のない姿勢。」「造形や素材に対して探求心旺盛で、仕事に向かう姿勢も真摯である。」など多く寄せられました。

上位3名について、選考委員会にて協議の結果、全員一致で秋山氏に金賞を贈ることに決定いたしました。

平成27年度 日本陶磁協会賞金賞 秋山 陽
1953年山口県下関市に生まれる。
1976年京都市立芸術大学卒業。「走泥社展」同人外参加(京都市美術館)
1978年京都市立芸術大学陶磁器専攻科修了。
1986年「八木一夫賞現代陶芸展」優秀賞受賞。
1988年京都市立芸術大学に就職。
1989年「挑むかたち─サントリー美術館大賞展 ’89」(サントリー美術館)。
1990年「作法の遊戯 ’90年春・美術の現在」(水戸芸術館)。
1992年京都市芸術新人賞受賞。
1994年「素材の領分」(東京国立近代美術館工芸館)。第12回京都文化賞奨励賞受賞。
1997年1996年度日本陶磁協会賞受賞。
2002年「現代陶芸ので100年展 第一部:日本陶芸の展開」(岐阜県現代陶芸美術館)
2005年「Alternative Paradise〜もうひとつの楽園」(金沢21世紀美術館)
2006年現代の茶陶展(菊池寛実記念 智美術館)優秀賞受賞。
2007年第25回京都文化賞功労賞受賞。第4回円空大賞円空賞受賞。
2008年京都美術文化賞受賞。
2009年「第5回 Wold Ceramic Biennale 2009 Korea ‐ Adventure of the Fire」(韓国・利川世界陶芸センター)。「第21回京都美術文化賞受賞記念展」(京都文化博物館)。
2010年第17回MOA岡田茂吉賞工芸部門大賞受賞。「第3回智美術館大賞展 現代の茶─造形の自由」(菊池寛実記念 智美術館)優秀賞受賞。
2011年第52回毎日芸術賞受賞。
2012年「陶芸の魅力×アートのドキドキ」(滋賀県立陶芸の森/岐阜県現代陶芸美術館(2013)/兵庫陶芸美術館(2013))。
2013年第22日本陶芸展
2014年京都新聞大賞「文化学術賞」受賞。
2016年「秋山陽 アルケーの海へ」展(菊池寛実記念 智美術館)


 今回の選考委員は、赤沼多佳、伊藤嘉章、梅澤信子、唐澤昌宏、竹内順一、戸田博、中ノ堂一信、宮島格三、森孝一の9名でした。

推薦者は、青野恵子、青山和平、秋元雄史、石崎泰之、市川文江、伊藤郁太郎、乾由明、井上隆生、上西節雄、内田篤呉、梅田稔、榎本徹、大槌長左衛門、小野公久、加藤浩之、加藤孝造、川上智子、川瀬忍、岸桂子、黒田和哉、黒田耕治、桑山俊道、纐纈幾世、小西哲哉、小吹隆文、坂本直樹、鶴田修、下村朝香、正村美里、白田豊、杉山道夫、鈴木蔵、鈴田由紀夫、大長智広、 坪井明日香、外舘和子、中島宏、中林幸雄、橋本龍史、花里麻理、林屋清三、深見陶冶、福島建治、福田朋秋、藤間寛、鈎真一、マルテル坂本牧子、三浦努、三輪休雪、目黒伸良、森野泰明、八木光恵、矢崎孝子、安田尚史、柳原睦夫、山中英之、横堀聡、吉澤敬子、以上58名でした。