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「日本陶磁協会賞」は、毎年その年の尤も優秀な焼物を作った新進の作家、二名乃至三名を選んで表彰しようとの加藤土師萌氏の提案によって、昭和29年初春に制定されたのが始まりです。第一回の受賞者は清水卯一氏と熊倉順吉氏でした。
そして、昭和34年に受賞作家11名により「日本陶磁協会賞受賞作家展」が開催されました。
さらに昭和48年より、新進ということにこだわりなく、その年の最も優秀な作家に対して「日本陶磁協会賞」が、また陶芸界に大きな足跡を残したベテラン作家および、すでに協会賞を受賞した作家の活動に対し、「金賞」を授与することを決議し、現在に至っています。ちなみに、第一回の金賞受賞者は八木一夫氏でした。(歴代作家参照)
また毎年1月には、和光ホール(銀座・和光)にて「日本陶磁協会賞受賞作家展」を開催いたしております。
なお、日本陶磁協会賞についての詳しいお問い合わせは、社団法人日本陶磁協会・事務局までご連絡下さい。


■平成22年度 日本陶磁協会賞並びに金賞のご報告

    平成22年度 日本陶磁協会賞前田正博
    平成22年度 日本陶磁協会賞金賞三輪休雪

平成22年度「日本陶磁器協会賞」の選考委員会が1月16日(日)午後2時より、銀座・和光本館7階応接室にて開かれました。今回は、候補者として協会賞53名、金賞30名の推薦を41名の推薦委員よりいただきました。

昨年と較べますと推薦委員は5名ほど減っておりますが、本賞の意義であるコつのジャンルに固執することなく陶芸界全般に目を配り、その年の最も優秀と思われる作家に日本陶磁協会賞を、さらに永年に渡り作陶および教育等を通して陶芸界に貢献されてきたベテラン作家に金賞を授与し表彰することによって陶芸文化および芸術を振興することを目的」に、美術館・博物館の学芸員、美術ジャーナリスト、ギャラリー関係者、陶芸作家などの専門の方々から推薦をいただきました。

その結果、協会賞候補は(推薦の多い順に示しますと)、前田正博(推薦者8名)、今泉今右衛門(7名)、加藤委、重松あゆみ(以上5名)、近藤高弘、杉浦康益、松本ヒデオ(以上3名)、伊藤慶二、兼田昌尚、川崎毅、川端健太郎、久保田厚子、平川鐵雄(以上2名)、青木克世、青木清高、石原祥嗣、伊勢崎淳、磯崎真理子、猪倉高志、植葉香澄、岡田裕、奥村博美、加藤高広、金重榛、木村芳郎、島村光、下澤敏也、神農巌、鈴木徹、田中佐次郎、全日根、塚木満、辻村史朗、戸田守宣、中尾恭純、中田一於、中田博士、中村卓夫、西端正、新里明士、長谷川直人、福島善三、福本双紅、星野暁、堀野利久、南野馨、宮永東山、宗像利浩、森克徳、山田晶、大和保男、山本教行、若尾経(以上1名)。

上の一覧でも分かる通り、前田正博、今泉今右衛門、加藤委、重松あゆみの4氏が上位を占めておりましたが、選考委員に候補者の陶歴、推薦理由および作品の写真など資料を付して送りました結果、次の方々が候補者として選ばれました。点数の高い順に示しますと、協会賞候補は前田正博(23点)、今泉今右衛門(9点)、川崎毅、加藤委(4点)、鈴木徹(3点)、伊勢崎淳、岡田裕(2点)、寺本守、重松あゆみ(1点)となりました。候補の新顔として川崎毅、岡田裕、寺本守といったベテラン作家が登場しておりますが今後の動向が楽しみです。ここ数年トップを争っていた前田氏が高い点数で2位の今泉氏を引き離す結果となりました。

前田氏の推薦理由は、「洋彩色絵における多様な展開」「色絵磁器のあり方に揺さぶりをかけた作家であり、近年そのスタイルの追随者が増えつつある」「MOA岡田茂吉賞、智美術館の個展」などがあげられます。

因みに、昨年の推薦理由をあげますと、「自分自身で開発した技法と洋絵具によるマチエールで作り上げられた独自の世界の作品を発表」「菊池寛実記念智美術館の個展開催、日本伝統工芸展総裁賞受賞」などで、順調に賞を獲得してきており、協議の結果、最も優秀な作家として前田正博氏に日本陶磁協会賞を贈ることを、全員一致で決定いたしました。

平成22年度 日本陶磁協会賞 前田正博
1948年京都府久美浜町に生まれる
1975年東京藝術大学大学院工芸科陶芸専攻修了
1983年今日の日本の陶芸展出品(ワシントン・スミソニアン博物館、ロンドン・ヴイクトリア&アルバート美術館)
1988年日本伝統工芸展日本工芸会奨励賞受賞
1992年日本の陶芸「今」100選展出品(パリ、東京)
1996年現代日本陶磁秀作アジア巡回展出品
1998年伝統工芸新作展奨励賞受賞
2005年菊池ビエンナーレ展優秀賞受賞 東京・六本木に工房移転
2007年「前田正博色絵磁器展」(アサヒビール大山崎山荘美術館)
2008年智美術館大賞 現代の茶陶展優秀賞受賞(菊池寛実記念智美術館)
2009年日本伝統工芸展日本工芸会総裁賞受賞
「赤黒金銀緑青 前田正博の色絵」展(菊池寛実記念智美術館)
2010年岡田茂吉賞MOA美術館賞受賞
2011年2010年度日本陶磁協会賞受賞


金賞候補を(推薦の多い順に示しますと)、三輪休雪(12名)、深見陶治(11名)、金重晃介(3名)、秋山陽、伊藤公象、小川待子、隠崎隆一、中村錦平、林康夫、前田昭博(以上2名)、伊勢崎淳、市野雅彦、伊藤赤水、今井政之、金子潤、川瀬忍、清水六兵衛、高鶴元、酒井田柿右衛門、笹山忠保、佐藤敏、高橋誠、滝口和男、武腰潤、中里重利、中里隆、中田一於、前田正博、三浦景生、宮永東山(以上1名)。

uの一覧の通り、今回も三輪氏と深見氏が圧倒的人気で、他の候補者を引き離す結果となりました。三輪氏の推薦理由は、「今秋の山口県立萩美術館での「龍人伝説への道 三輪休雪展」が開催され、現代陶の旗手としての評価が高い」「初期の「ハイヒール」から最近の「龍人伝説」に至るまで驚くほど多彩な作品を創造しながら、一貫して思想性豊かな陶芸を追求してきた業績」「現在、金賞を受賞していない作家たちの中、休雪以上の優れた創作活動をしてきた作家はいない。休雪が受賞してないのは不自然。」など、多くの意見が寄せられました。一方、深見氏の推薦理由は、「青白磁のシャープな抽象造形で知られ、海外での評価がとりわけ高い。自ら考案した「圧力鋳込み」の手法で磁器の常識を破るスケールの大きな造形世界を切り開いてきた」「辞退はあったとしても、この人を抜いて現代陶は語れないのでは」「ご本人が受けられるようなら、この人しか思い浮かばない」という意見などがありました。

選考の結果は、深見陶治(16点)、三輪休雪(12点)、秋山陽(10点)、隠崎隆一、川瀬忍(以上3点)、今井政之、金重晃介、神谷紀雄(以上2点)、酒井田柿右衛門、伊藤公象、前田昭博(以上1点)で、今回も深見、三輪、秋山の三氏の接戦となりました。

しかし、深見氏はここ数年辞退されており、秋山氏は選考では10点と高い数字が入っておりますが、推薦では2名のみ、三輪氏は推薦ではトップの12名でしたので、推薦委員の意見を尊重すべきではという意見もあり、協議の結果、全員一致で三輪休雪氏に金賞を贈ることが決定いたしました。受賞理由は、推薦にもある通り三輪氏の「これまでの優れた創作活動」と「初期の「ハイヒール」から最近の「龍人伝説」に至るまで驚くほど多彩な作品を創造しながら、一貫して思想性豊かな陶芸を追求してきた業績」を評価してのことです。

平成22年度 日本陶磁協会賞 金賞 三輪休雪
1940年山口県萩市生まれ
1967年東京藝術大学大学院工芸科陶芸専攻修了。1968年個展「三輪龍作の優雅な欲望展」(東京・壹番館画廊)
1974年萩市椿東上野に開窯
1988年個展「三輪龍作 卑弥呼展」(東京・日本橋高島屋/京都、大阪を巡回)
1989年日本陶磁協会賞受賞
1994年個展「陶芸・三輪龍作の世界展─愛と死の造形─」(山口・下関市立美術館)
1996年「茶室 三輪龍作の美学─壱」(山口県立萩美術館・浦上記念館)
2003年十二代三輪休雪襲名
2007年中国・山東省博物館にて「紀念中国山東省・日本山口県友好関係締結25周年 三輪休雪陶芸展」開催
2009年「陶 愛と死の融合 十二代三輪休雪個展」(パリ・三越エトワール、日本橋三越、福岡三越)
2010年「龍人伝説への道 三輪休雪展」(山口県立萩美術館・浦上記念館)
2011年2010年度日本陶磁協会賞金賞受賞


深見氏の金賞を切望する意見もありますが、もう少し氏の状況が整うまで待ちたいと思います。
秋山陽氏は「第52回毎日芸術賞美術II部門(工芸)」を今年受賞されました。
お二人とも金賞候補として、相応しい方々だと思いますので今後が楽しみです。

今回、賞の選考には赤沼多佳、石崎泰之、金子賢治、後藤康雄、梅澤信子、黒田和哉、中ノ堂一信、森孝一の8名が出席。根津公一、戸田博、唐澤昌宏の3名は都合により欠席されました。