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「日本陶磁協会賞」は、毎年その年の尤も優秀な焼物を作った新進の作家、二名乃至三名を選んで表彰しようとの加藤土師萌氏の提案によって、昭和29年初春に制定されたのが始まりです。第一回の受賞者は清水卯一氏と熊倉順吉氏でした。
そして、昭和34年に受賞作家11名により「日本陶磁協会賞受賞作家展」が開催されました。
さらに昭和48年より、新進ということにこだわりなく、その年の最も優秀な作家に対して「日本陶磁協会賞」が、また陶芸界に大きな足跡を残したベテラン作家および、すでに協会賞を受賞した作家の活動に対し、「金賞」を授与することを決議し、現在に至っています。ちなみに、第一回の金賞受賞者は八木一夫氏でした。(歴代作家参照)
また毎年1月には、和光ホール(銀座・和光)にて「日本陶磁協会賞受賞作家展」を開催いたしております。
なお、日本陶磁協会賞についての詳しいお問い合わせは、社団法人日本陶磁協会・事務局までご連絡下さい。


■平成21年度 日本陶磁協会賞並びに金賞のご報告

    平成21年度 日本陶磁協会賞金賞森野泰明
    平成21年度 日本陶磁協会賞中島晴美

平成21年度「日本陶磁協会賞」の選考委員会が2月5日(金)午後3時より、銀座・和光本館7階応接室にて開かれました。今回は、候補者として協会賞54名、金賞30名の推薦を46名の推薦者より頂きました。

今回、推薦者として新たに加わったのは24名。これらの人々は、さらに広い範囲に渡って情報を収集するため、金子常任理事にお願いして40数名の専門の方々に依頼状を発送した結果で、22名の方から推薦を頂きました。これまでは日本陶磁協会の会員および「陶説」執筆者、陶磁協会賞の受賞者と協会関係者に絞って推薦をお願いしていましたが、今回さらに範囲が広がって推薦の候補の顔ぶれも若くなった気がします。

金賞候補を、人気の高い順に示しますと、深見陶治・三輪休雪・秋山陽・中里隆・前田昭博・伊藤慶二・伊藤公象・今井政之・隠崎隆一・金重晃介・川瀬忍・清水六兵衛・酒井田柿右衛門・中村錦平・前田正博・伊勢崎淳・伊藤赤水・今泉今右衛門・神谷紀雄・木村盛伸・栗木達介・小松誠・鈴木五郎・武腰潤・林康夫・三原研・宮永東山・三輪和彦・森野泰明・八木明の以上30名。

協会賞候補は、中島晴美・前田正博・加藤委・伊藤慶二・今泉今右衛門・重松あゆみ・神農巌・杉浦康益・長江重和・板橋廣美・今泉毅・植葉香澄・岸映子・近藤高弘・平川鐵雄・石田有作・石原祥嗣・伊藤公象・今田陽子・植松永次・内田鋼一・大塚茂吉・加藤高宏・金重榛・兼田昌尚・北野勝彦・木村芳郎・久保田厚子・小松純・清水一二・下沢敏也・庄村健・神内康年・鈴木卓・高垣篤・高村宜志・田中佐次郎・塚本満・徳澤守俊・中尾恭純・新里明士・西端正・野坂康起・長谷川直人・福島善三・古川拓郎・伯耆正一・堀野利久・松本ヒデオ・宗像利浩・森一蔵・森正・山田晶・大和保男・山野千里の以上55名。

12月末、候補者の陶歴と推薦理由および作品の写真を付して選考委員(服部礼次郎・赤沼多佳・石崎泰之・梅澤信子・金子賢治・唐澤昌宏・黒田和哉・後藤康雄・戸田博・中ノ堂一信・根津公一・森孝一)に送りましたところ、次の方々が侯補者として残りました。

点数の高い順に示しますと、金賞候補は深見陶治・三輪休雪・森野泰明・中里隆・秋山陽・大樋長左衛門・伊勢崎淳・神谷紀雄・伊藤東彦・前田昭博の以上10名。深見・三輪・森野・中里・前田の各氏は昨年も侯補に上った人たちです。深見陶治氏の推薦理由としては「世界に対して日本の陶芸を発信する時、深見陶治をおいて語れない部分がある。日本を象徴する刀のような造形とそこから受けるひややかで爽やかな印象は一度認識すれば忘れられない記憶として刻まれます。陶芸のあいまいさを一切排除し、完全に自分が思う姿を圧力鋳込みという方法で表現されている仕事は日本陶芸界においてもっと再認識されるべきだと思う」ほか、色々ありましたが、大半は氏の国際的な活躍を称えるものでした。

三輪休雪氏の推薦理由は「伝統的な萩焼の窯元に生まれ、萩の伝統にないエロチシズムを、現代陶の世界に発表し続け、ハイヒールから卑弥呼へと独自の造形を守り、今年はパリ三越エトワール展でも評価が高く、現代日本の代表的作家の一人」ほか、色々ありましたが、大半はパリ展での評価を称えるものでした。

森野泰明氏の推薦理由は「長年にわたる独自の作品づくりに対するもの」というものでした。通常は点数の高い上位3名について議論し、再選考が行われるのですが、推薦の人気一位の深見氏がまだ体力的に大きな作品の制作が難しく、賞を受ける限り納得のいく作品を発表したいという考えにより、ここ数年受賞を辞退されていますので、深見氏を除いて候補者について議論し、再度選考した結果、森野氏が7票、三輪氏と秋山氏が各1票で、森野氏の2009年度日本陶磁協会賞の受賞が決まりました。これは、まさに氏の長年にわたる独自の作品づくりが評価されての受賞ということです。

2002年から受賞記念展が始まりましたので、このような結果となりましたが、過去には受賞しても協会賞展に通常は作品を出品しないという三輪休雪(龍作)氏の例もありますので、この問題はさらに検討していくべきかと思います。

一方、協会賞は前田正博・中島晴美・加藤委・伊藤慶二・今泉今右衛門・兼田昌尚・平川鐵雄・杉浦康益・宗像利浩・川口淳・重松あゆみの以上11名。前田・中島・加藤・今泉・兼田・杉浦・宗像の各氏は昨年も候補に上った人です。

前田正博氏の推薦理由は「自分自身で開発した技法と洋絵具によるマチエールで作り上げられた独自の世界の作品を発表」「菊池寛実記念智美術館での個展開催、日本伝統工芸展総裁賞受賞」が大きな理由と思われます。

中島晴美氏の推薦理由は「磁器作品としての独創性、技術レベルの高さ、完成度いずれの点から考慮しても受賞者としての資格十分」「地道な努力とその成果にたいして」ほか、色々。

加藤委氏の推薦理由は「まだまだ若い世代だが、伝統的な青白磁の世界を現代陶の世界にナタで削った荒々しい造形でデビュー。独自のデザインは他にはなく、ニューヨークの個展でも評価高く、オリジナリティは目がはなせない存在」「独特のシャープな青白磁に加えて、土ものの作品も定着してきた感がある。意欲的な活動ぶりを評価」など色々。

推薦では中島氏が一番人気で前田、加藤の両名が続いておりましたが、選考では前田、中島、加藤と前田氏と中島氏が逆点いたしました。恒例によって上位3名の作家および作品について白熱した議論が繰り返された結果、中島氏の作品が非常に優れており、協会賞にふさわしいということで、全員一致で選考されました。

今回、金賞の森野氏も、協会賞の中島氏も、これといった大きな展覧会はありませんでしたが、長年にわたり独自の陶芸を積み上げてきたことが評価されての受賞と思われます。金賞は、陶芸界において大きな足跡を残された作家、およびすでに協会賞を受けられた作家の活動に対して贈られる賞ですが、森野氏の陶歴および業績をあげると次のようになります。

平成21年度 日本陶磁協会賞金賞 森野泰明
1934年京都市に生まれる
1958年京都市立美術大学陶磁器科卒業
1960年京都市立美術大学専攻科修了、非常勤講師となる(1960-62)。日展・特選北斗賞受賞(1966年にも受賞)
1962年シカゴ大学の招聰により渡米。同大学の陶芸講座を担当。現代工芸美術家協会創立会員となる
1963年シカゴ美術大学で陶芸短期講座を担当、帰国
1966年シカゴ大学の招聰により渡米、同大学の陶芸講座を担当
1967年マリアッタ大学、南イリノイ大学で陶芸短期講座を担当
1968年帰国、現代工芸美術家協会評議員になる。日本現代工芸美術展会員賞・外務大臣賞受賞
1969年日展会員となる
1978年世界クラフト会議(WCC)京都大会のプログラム・コーディネイターを務める。現代工芸美術家協会を退会
1979年国際陶芸アカデミー(IAC)。日本新工芸家連盟の創立会員となる
1981年社団法人日本新工芸家連盟理事となる
1983年日本新工芸展・文部大臣賞受賞
1986年日本新工芸家連盟を退会。ESTIU JAPO ユ86(スペイン)に参加
1987年日工会創立会員となり常務理事となる
1988年日展評議員となる。全関西美術展運営委員となる
1993年日工会展・文部大臣賞受賞
1996年京都府文化賞功労賞受賞
1999年京都市文化功労者として表彰を受ける
2002年国際陶芸アカデミー理事となる
2004年日工会を退会
2005年国際陶芸アカデミー副会長となる
2007年日本芸術院賞受賞

協会賞は、その年の最も優秀な作家に対して贈られる賞ですが、中島氏の陶歴および業績をあげると次のようになります。

平成21年度 日本陶磁協会賞 中島晴美
1950年岐阜県恵那市に生まれる
1973年大阪芸術大学デザイン科卒業
2000年滋賀県立陶芸の森創作研修館に招聘・制作
2001年European Ceramic work Centerに招聘・制作(オランダ)。個展(ギャラリーセントラム・フッド・ウェルク/ベルギー)。現代陶芸の精鋭(茨城県陶芸美術館)
2002年現代陶芸の100年展(岐阜県現代陶芸美術館)現代日本工芸展(国際交流基金主催/マレーシア・インドネシア)
2003年現代陶芸の尖鋭17人展(高知県立美術館)。Japan ceramics and photography tradition and today(ダイヒト・アハーレン/ハンブルグ・ドイツ)
2004年現代日本陶彫刻展(DaiIchi Gallery/ニューヨーク)。MINO CERAMICS NOW 2004(岐阜県現代陶芸美術館)
2005年やきもの新感覚シリーズ・50人(セントレアギャラリー/中部国際空港)Terra Nova. Sculpture & Vessels in Clay (Museum of arts and design/ニューヨーク)
2006年日本陶芸100年の精華(茨城県陶芸美術館)。近代工芸の百年(東京国立近代美術館)。現代陶芸 その未来展(松坂屋本店・名古屋)
2007年工芸の力ー21世紀の展望(東京国立近代美術館)個展(ギャラリー目黒陶芸館・四日市)。日本陶芸展招待出品(東京・大阪他)
2008年華やぎのかたち展(東京日本橋高島屋・美術画廊)