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「日本陶磁協会賞」は、毎年その年の尤も優秀な焼物を作った新進の作家、二名乃至三名を選んで表彰しようとの加藤土師萌氏の提案によって、昭和29年初春に制定されたのが始まりです。第一回の受賞者は清水卯一氏と熊倉順吉氏でした。
そして、昭和34年に受賞作家11名により「日本陶磁協会賞受賞作家展」が開催されました。
さらに昭和48年より、新進ということにこだわりなく、その年の最も優秀な作家に対して「日本陶磁協会賞」が、また陶芸界に大きな足跡を残したベテラン作家および、すでに協会賞を受賞した作家の活動に対し、「金賞」を授与することを決議し、現在に至っています。ちなみに、第一回の金賞受賞者は八木一夫氏でした。(歴代作家参照)
また毎年1月には、和光ホール(銀座・和光)にて「日本陶磁協会賞受賞作家展」を開催いたしております。
なお、日本陶磁協会賞についての詳しいお問い合わせは、社団法人日本陶磁協会・事務局までご連絡下さい。


■平成20年度 日本陶磁協会賞並びに金賞のご報告

平成20年度「日本陶磁協会賞」の選考委員会が、1月8日(木)午後4時半より銀座・和光並木館7階応接室にて開かれました。今回は、候補者として協会賞40名、金賞23名の推薦を下記の推薦者よりいただきました。

推薦者は、石崎泰之・和泉周一・井上隆生・梅田稔・榎本徹・大樋長左衛門・小野公久・加藤清之・黒田耕治・嶋田建治・正村美里・白田豊・杉山道夫・鈴木藏・竹田博志・外舘和子・中里逢庵・中島宏・橋本龍史・花里麻里・林屋晴三・福島建治・柳原睦夫・山本真由美・渡部誠一の各氏。

今回、推薦者として新たに加わったのは、日本工芸会から鈴木藏氏・中島宏氏、日展から中里逢庵・大樋長左衛門氏、無所属から加藤清之氏・柳原睦夫氏の6名。ギャラリー関係からは橋本龍史氏に参加していただきました。協会賞の推薦の数が40名(昨年は24名)と多いのは、そのせいもあるかと思われます。

重要無形文化財保持者に認定されている作家の名前も推薦にあがる場合もありますので、すでに保持者として認定され、かつ金賞受賞者でもある鈴木・中島の両氏に伝統工芸展を中心に推薦していただくことにいたしました。藝院会員の中里・大樋の両氏には日展を中心に、無所属の加藤・柳原の両氏には工芸会・日展に関係なく自由な立場から推薦していただきました。

12月初めに、候補者の略歴と推薦理由および資料を付して選考委員(梅澤信子・金子賢治・唐澤昌宏・黒田和哉・中ノ堂一信・西田宏子・長谷部満彦・宮島格三・弓場紀知・森孝一)に送りましたところ、次の方々が候補者として残りました。

点数の高い順に示しますと、金賞候補は加藤孝造・深見陶治・三輪休雪・中里隆・北出不二雄・川瀬忍・小川待子・酒井田柿右衛門・平川鐵雄・佐藤敏・前田昭博・森野泰明の以上12名。協会賞は今泉今右衛門・前田正博・加藤委・小池頌子・中島晴美・杉浦康益・福島善三・内田鋼一・兼田昌尚・小松誠・高垣篤・塚本満・宗像利浩の以上13名。

選考委員会当日の出席者は、梅澤・金子・唐澤・黒田・中ノ堂・宮島・弓場・森の8名。西田・長谷部の両氏は欠席。吉田氏は病気静養中のため、今回はお送りいたしませんでした。

金賞候補につきましては、一位の加藤孝造氏と深見陶治氏が同点、二位の三輪休雪氏と三位の中里隆氏が一点差でしたので協議の結果、この4名で再選を行うこととなりました。結果、加藤氏が他の3名を引き離して金賞を獲得されました。推薦の段階では三輪・深見の両氏がトップを争い、次いて伊藤慶二・加藤・中里・小川待子の各氏が続いていました。トップの三輪・深見両氏に対して、加藤・中里両氏の頭角は、伝統の技をいま一度見直そうという協会理事の意図が選考(選考委員10名中6名が理事)に反映したのかも知れません。実力からいえば、三輪・深見・伊藤の三氏も金賞にふさわしい候補でありますし、とくに伊藤氏の地域への貢献度は大きいといえましょう。

因みに、加藤氏の推薦理由は「伝統的手法による志野・瀬戸黒・黄瀬戸など美濃陶の今日的表現探究とそのすぐれた成果に対して」「近年の個展活動および風塾での若手作家養成活動」ということでした。加藤氏の直向きな作陶姿性に加えて、こうした地元の声、伝統の技をもう一度見直そうという協会理事らの意向が重なって、加藤氏の点数が高くなったのではないかと思われます。

協会賞候補につきましては、一位が今泉今右衛門、二位が前田正博、三位が加藤委、四位が小池頌子の各氏で、それぞれ1点、2点の差で順位が続いていましたので、協議の結果、この4名で再選を行うこととなりました。しかし、順位が小池・前田・加藤・今泉と逆転しただけで、その点数の差は微妙なままでした。そこで、さらに協議を重ねた結果、作品的にも一番安定しているベテランの小池頌子氏に協会賞を送ることで全員一致となりました。惜しくも賞をのがした三氏については今後の展開を見守ることとなりました。今泉氏は2008年MOA岡田茂吉賞工芸部門優秀賞受賞、加藤氏は伝統的な青白磁を現代陶の世界に独自に造形表現する若年のホープ、共に47歳と同じ歳です。前田氏は独特の釉彩(洋彩)による加飾で知られるベテラン作家。昨年まで協会賞を争った杉浦康益氏とは東京芸大の同学年とのこと。因みに協会賞に決まった小池頌子氏の推薦理由は「群を抜く実力派」「用を捨てない造形的器に優れた作品がある」というもの。

    平成20年度 日本陶磁協会賞金賞加藤孝造
    平成20年度 日本陶磁協会賞小池頌子

平成20年度 日本陶磁協会賞金賞 加藤孝造 氏

1935年岐阜県瑞浪生まれ。
1955年岐阜県陶磁器試験場主任技師。
1959年「現代日本陶芸展」第三席。
1962年「日本伝統工芸展」初入選、(68年優秀賞)
1963年「朝日陶芸展」入賞、(67年優秀賞)
1966年日本工芸会正会員。
1985年日本陶磁協会賞、岐阜日々新聞社賞「教育文化賞」。
1990年美濃陶芸協会会長。
1994年東海テレビ文化賞、多治見市役所ロビーに陶壁「濤」制作
1995年瑞浪小学校ロビーに陶壁「風魂」制作、岐阜県重要無形文化財「志野、瀬戸黒」保持者認定。
1998年岐阜県芸術文化顕彰、中日文化賞。
1999年陶房に古民家を移築し「風塾」を創設。
2002年織部賞。
2005年地域文化功労者文部科学大臣表彰。2007年紺綬褒章

平成20年度 日本陶磁協会賞金賞 小池頌子 氏

1943年北京に生まれる。
1969年東京藝術大学大学院陶芸専攻修了、東京都多摩市に築窯。
1986年「林屋晴三が訪ねる女性陶芸家」(大阪なんば高島屋)
1993年「Modern Japanese Ceramics in American Collection」(ニューヨーク)
1994年「魅惑の現代陶芸─用の否定と肯定」(草月美術館)
1995年「陶芸の現代─発信する器」(高島屋・日本橋、京都)
1996年「現代陶芸の若き騎手たち」(愛知県陶磁資料館)
1998年「八木明・小池頌子二人展」(ニューヨーク)
「かたちの領分─機能美とその転生─」(東京国立近代美術館)
2003年「現代陶芸・14人の尖鋭たち─TOSA TOSA2003 柳原睦夫と現代陶芸の尖鋭たち─現代陶芸の系譜」(高知県立美術館)
「韓国陶磁器EXPO世界ビエンナーレ」(韓国)
「Japanese Ceramics Today Part1,2」(菊池寛実記念智美術館)
2005年「Contemporary Clay - Japanese Ceramics for the New Century」(ボストン美術館)
2006年「TOJI」(フランス国立セーブル美術館、フランス)
現代陶芸の粋─東日本の作家を中心に」(茨城県陶芸美術館)
「智美術館大賞 現代の茶陶展」優秀賞。
2007年「群青の彼方から 小池頌子展」(菊池寛実記念智美術館)
「魅せられる…今、注目される日本の陶芸展」(巡回展)