陶磁協会賞とは
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「日本陶磁協会賞」は、毎年その年の尤も優秀な焼物を作った新進の作家、二名乃至三名を選んで表彰しようとの加藤土師萌氏の提案によって、昭和29年初春に制定されたのが始まりです。第一回の受賞者は清水卯一氏と熊倉順吉氏でした。
そして、昭和34年に受賞作家11名により「日本陶磁協会賞受賞作家展」が開催されました。
さらに昭和48年より、新進ということにこだわりなく、その年の最も優秀な作家に対して「日本陶磁協会賞」が、また陶芸界に大きな足跡を残したベテラン作家および、すでに協会賞を受賞した作家の活動に対し、「金賞」を授与することを決議し、現在に至っています。ちなみに、第一回の金賞受賞者は八木一夫氏でした。(歴代作家参照)
また毎年1月には、和光ホール(銀座・和光)にて「日本陶磁協会賞受賞作家展」を開催いたしております。
なお、日本陶磁協会賞についての詳しいお問い合わせは、社団法人日本陶磁協会・事務局までご連絡下さい。

■平成18年度 日本陶磁協会賞並びに金賞のご報告

平成18年度「日本陶磁協会賞」が1月24日(水)に選考されました。今回は候補者として、協会賞25名、金賞21名の推薦を下記の推薦者よりいただきました。
推薦者は石崎泰之氏、乾由明氏、井上隆生氏、榎本徹氏、正村美里氏、杉山道夫氏、竹田博志氏、外舘和子氏、林屋晴三氏、藤慶之氏、山本真由美氏に加えて、新規に和泉周一氏、梅田稔氏、黒田耕治氏、斉藤武男氏、嶋田健治氏、花里麻理氏、福島建治氏、南邦男氏に推薦していただきました。これまでの学芸員、ジャーナリストのほかに、ギャラリー関係者にも参加していただきました。来年は、コレクターにも参加していただくつもりです。従来、協会賞の選考委員は、研究者、業者、コレクターの三者によって構成されてきましたので、推薦者もこの三者によって構成してゆきたいと考えております。

候補者の略歴および推薦理由を付して、選考委員(梅澤信子氏、金子賢治氏、唐澤昌広氏、黒田和哉氏、中ノ堂一信氏、西田宏子氏、長谷部満彦氏、宮島格三氏、弓場紀知氏、吉田耕三氏、森孝一)の諸氏に送りましたところ、次の方々が候補として残りました。
点数の高い順に示しますと、金賞は加藤清之氏、鯉江良二氏、中里隆氏、徳田八十吉氏、深見陶治氏、原清氏、三輪休雪氏、平川鐵雄氏、酒井田柿右衛門氏、古川章蔵氏、隠崎隆一氏、栄木正敏氏、前田昭博氏の以上13名でした。
協会賞は杉浦康益氏、武腰潤氏、三輪和彦氏、福島善三氏、中島晴美氏、三原研氏、加藤委氏、久保田保義氏、近藤高弘氏、内田鋼一氏、勝間田千惠子氏、崎山隆之氏、金子潤氏、西端正氏、松本ヒデオ氏の15名でした。
先にも述べましたが、1月24(水)午後3時より和光7階会議室にて「平成18年度日本陶磁協会賞」の選考委員会が開かれました。当日の出席者は、梅澤、唐澤、黒田、中ノ堂、宮島、森、弓場、吉田の8名で、欠席者(金子、西田、長谷部)に対しては、前もって再選を済ませていただきました。

金賞候補につきましては、ここ2、3年、加藤氏が金賞受賞者と激しい接戦を繰り返しておりましたが、今回は2位の鯉江氏、3位の中里氏を引き離して高い点数を獲得されましたので協議の結果、出席者の全員一致で加藤清之氏の金賞が決まりました。加藤氏は、愛知県ではじめての金賞受賞者です。
協会賞候補につきましては、杉浦康益氏、武腰潤氏、三輪和彦氏の上位3名で争われましたが、再選の結果、武腰氏と三輪氏が同点数でしたので、協議の上、両者を協会賞に決定いたしました。有力候補の杉浦氏は、昨年「パラミタ陶芸大賞」を受賞され、すでに大きな評価を得ておられますので、そうしたこともあって逆に三輪氏に点数が入ったものと思われます。

今回、金賞に選ばれた加藤清之氏の推薦理由は、「加藤氏の作品は一つのポエジーであり、絵画である。その繊細な造形は古瀬戸のもつ繊細さにも通じて奥が深い。中世のやきもののもつ力強さは外形的なものだけではなく、加藤氏の作品にも同じ力強さをその繊細さの中に感じる。ここ数年、金賞候補に挙がりながら逃してきたが、2005年に愛知県陶磁資料館で開催された「加藤清之展」で示したように、その陶歴は器からオブジェまで幅広いものであり、瀬戸を代表する陶芸家として金賞候補にふさわしい。」というものでした。

協会賞の武腰潤氏の推薦理由は、「現代九谷を代表する作家で、その実力のほどは伝統工芸展ほかのこれまでの賞歴がすでに証明しているが、今年はニューヨークでのフェアでも高い評価を得た。造形中心の現代陶芸の中にあって、伝統の色絵を現代的感覚で表現、さらに色絵の常識を破って窯の中での釉の流れを計算に入れ、新しい色絵世界に挑戦している。」というものでした。
三輪和彦氏の推薦理由は、「兵庫陶芸美術館での巨大なインスタレーションは、しばらく忘れていたやきもののスケール感を改めて実感させるもの、近年の磁器、クラフトなどの〈軽いもの〉指向には、一方でこうしたアプローチが必要。」「素材〈大量の土〉と格闘した末の大型陶造形に対他存在的な自己表現を明確にした。」「3年間のアメリカ留学から帰国後、萩焼の陶土、技法を世界的な造形美術の視点に立って表現し高い評価を得ている。」などの理由が寄せられました。
なお、杉浦康益氏の推薦理由は、「パラミタの人気〈大賞〉がややマイナス作用に。でも大活躍。」「博物誌のシリーズ、彩文俑、形象香炉のシリーズと、土で造形することに止まぬ意欲を感じる。」「昨年から今年にかけての仕事は他を圧して情熱を傾注して非凡。」などの理由が寄せられましたが。さらに今後の活躍に注目したいと思います。

    平成18年度 日本陶磁協会賞金賞加藤清之
    平成18年度 日本陶磁協会賞武腰潤
    平成18年度 日本陶磁協会賞三輪和彦

平成18年度 日本陶磁協会賞金賞 加藤清之 氏

[陶歴]
1931年愛知県瀬戸市に生まれる。
1950年愛知県立瀬戸窯業高等学校卒業。
1964/65年「朝日陶芸展」大賞受賞。
1967年「日展」特選北斗賞73特選受賞。
1970年日本陶磁協会賞受賞。
1973年「現代工芸の鳥瞰展」(京都国立近代美術館)。
1979年愛知県芸術選奨文化賞受賞。
1984年「第6回日本新工芸展」内閣総理大臣賞受賞。
1995年「日本のスタジオクラフト・伝統と前衛」展(英・V&A美術館)。
1998年「挑発する器とその作家たち」(草月美術館)。
1999年ギャラリーファール(パリ)にて個展開催。
2000年日本の現代展(パリ)。
2002年現代陶芸の100年(岐阜県現代陶芸美術館)。
2003年「白磁・青磁の世界展」(茨城陶芸美術館)。
2004年「瀬戸陶芸の精華」(瀬戸市美術館他)。
2005年「土から生み出すかたち造形の軌跡 加藤清之展」(愛知県陶磁資料館)。
2006年現代日本陶磁器展(ニューヨーク)。

平成18年度 日本陶磁協会賞金賞 武腰潤 氏

[陶歴]
1948年石川県に三代武腰泰山の長男として生まれる。
1970年金沢美術工芸大学日本画科卒業。
1982年現代美術展最高賞受賞(87年、93年、96年審査員、88年委嘱特別賞)。
1986年箱根彫刻の森美術館賞受賞。
1987年伝統九谷焼工芸展優秀賞受賞(91年大賞、96年大賞、97年20周年記念大賞、98年大賞受賞)。日本新工芸展審査員(89年審査員、94年審査員)。
1988年オーストラリア建国記念選抜展外務省買上。明日をひらく日本新工芸展大賞受賞。
1990年日展金沢展奨励賞受賞(91年特選、94年特選)。
1998年一水会陶芸部参加硲記念賞受賞。
1999年石川県指定無形文化財九谷焼技術保存会会員となる。
2002年日本伝統工芸展朝日新聞社賞受賞。
2004年日本伝統工芸展奨励賞受賞。
2006年「インターナショナル・アジアン・アート・フェア」出展(ニューヨーク)。

平成18年度 日本陶磁協会賞金賞 三輪和彦 氏

[陶歴]
1951年山口県萩市に11代三輪休雪の三男として生まれる。
1975年サンフランシスコ・アート・インスティテュートに留学。
1990年「土の発見─現代陶芸と原始土器」(滋賀県立陶芸の森)。
1992年日本の陶芸「今」百選展(フランス、三越)。
2000年「三輪和彦の茶室・黎─REI─」(山口県立萩美術館・浦上記念館)。
2001年「三輪和彦の白き花冠展」(高島屋)
2002年「アジア太平洋現代陶芸展」(台北現代陶芸美術館)。
2003年現代陶芸の華─響きあう色とかたち─(茨城県陶芸美術館)。
2004年滋賀県立陶芸の森創作研修館ゲストアーティストとして制作。
2005年「京畿道世界陶磁ビエンナーレ2005」(韓国)。疎通と拡散─韓中日国際陶芸交流展─(ミラル美術館・韓国)。田中寛コレクションと現代の陶芸(兵庫陶芸美術館)。
2006年「花冠展─地、天を指す─」(高島屋)。「日本陶芸100年の精華」(茨城県陶芸美術館)。「陶芸の現在、そして未来へ Ceramic NOW+」(兵庫陶芸美術館)。「パラミタ陶芸大賞展」(パラミタミュージアム・三重)。「PALT FORM 06」(秋吉台国際芸術村・山口)。